人間石鹸展示会

[妄想]

 

Tempo Southwest -- Stories from the latest print edition, By Theresa Tracy. Special to the Tribune, Web-posted Sunday, June 8, 1997; 6:08 a.m. CDT

 

 第二次世界大戦中、三人の姉妹はプラハを逃げようとしたときにばらばらとなってしまった。二人は汽車に乗ったが、もう一人は乗ることができず、それが最後の別れとなってしまった。

 半世紀後、ホロコースト記念物展示会で、姉妹の一人が、別れ別れになってしまった妹が写真に写っていることに気がついた。展示品のオーナーであるミルトン・コーンに、写真に写っている人々の消息を尋ねると、この妹は、写真の中に筒っている人々と一緒に強制収容所に送られて殺されたという話であった。

 コーンは「私はホロコーストで家族の大半をなくしていますので、ホロコーストに関係する品とはかかわりたくないのです」と述べている。彼は、当初、[ボブ]・レーンが提供してくれた品々を見ることを拒んでいた。客車番号、客車の乗車券、1943年7月5日に絶滅予定の人々のリスト。コーンはそれらの品々をレーンに返してくれと妻ジャネット(故人)に頼んだ。ジャネットは、そのリストの中にコーンという名前を発見した。家族のアドルフ・コーンであり、その日に、テレジエンシュタットで焼却された24名の一人であった。

 展示品の中には、もっと印象的な品々もあった。人間の胸から切りはがされた刺青の入った皮膚――風変わりな刺青を集めていたドイツ人女性用――、人間の脂肪から製造された石鹸、枕の中身に利用された髪の毛。

 

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