4.5.13 アドルフ・レグナー

R:職業的な偽証専門家で偽証で有罪となったアドルフ・レグナーをふたたび個別に取り上げることは価値がないのかもしれません。しかし、ホロコースト・ポルノ作家としてのレグナーの資質を例証するために、彼の嘘をつく能力をいくつかあげておきます。彼は、最初の尋問でこう述べています[1]

 

「彼[収容所長ルドルフ・ヘス]はブンカーの中で女性たちと過度に性的関係を持っていました。このために、妊娠した女性もいましたので、囚人医師たちが中絶をほどこさざるをえなかたのです。」

 

 このような話は序の口です。レグナーの資質を如実に示しているのは次のような証言です[2]

 

「尋問の中で、カーッカーナックSS曹長は、犠牲者の体を貼り付けにし、性器に針を刺したり、女性器の中でタンポンを燃やしたりする拷問を加えた。」

 

L:サド・マゾ的なホロコースト・ポルノ作家として、レグナーは病理学的な嘘つきであっただけではなく、性的倒錯者でもあったのですね。

R:嘘、捏造、偽証の咎でいつも投獄されている人は、性的も倒錯しがちなものです。性的倒錯の話のついでに、レグナーが子供についてどのような妄想をくりひろげているのか紹介しておきます[3]

 

       彼の話では、到着した囚人の中のもっとも小さな子供たちは親の手から引き離されて、40か45人の幼児の大きな山に投げつけられた。この山の下にいる幼児は押しつぶされていた。そして、幼児はローリーにトスされ、生きたまま燃えさかる焼却炉に投げ込まれた。

       彼の話では、SS隊員が手荒に扱ったために、到着した子供たちは降車場のところで暴れだし、SS隊員の足にしがみついて、射殺された。

 

L:パニックにおちいっていた子供たちが、彼らの一番恐れるSS隊員の足にしがみついたというのですか?

R:レグナーはまさに古典とでもいえる光景を描いています。

 

「アウシュヴィッツUに囚人の移送集団が到着すると、ボーガーは、床に寝ていた赤ん坊の一人を取り上げ、おしめを取って、丸裸にし、足を持って、赤ん坊の頭を貨車の鉄の端にぶつけました。最初は軽く、次第に強く、頭が完全につぶれるまで、ぶつけ続けました。そして、すでに死んでいた赤ん坊の手足をねじり、傍らに投げ捨てました。」

 

L:1991年に国連を対イラク戦争に向かわせるために、ヒルとノウルトンがでっち上げた未熟児保育器のような話ですね。

R:そのとおりです。ただし、レグナーは、この件で専門家からアドバイスを受けてはいません。しかし、実際、残虐に赤ん坊を殺す人物についての話は、非常に大きな心理的インパクトをもっていたのです。また、レグナーは、ビルケナウの降車場のところの、ありもしない木の陰に隠れて、同じような光景を目撃したと述べています。

 

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[1] Staatsanwaltschaft beim LG Frankfurt (Main), op. cit. (note 462); vol. 1, p. 69.

[2] Ibid., p. 65.

[3] Interrogation of Jan. 4, 1958, ibid., vol. 2, pp. 247-261.