3.4.8　文書資料的証拠

3.4.8　文書資料的証拠［いわゆる「犯罪の痕跡」について］

R（ルドルフ）：今度は、純粋な文書資料的証拠について検証しましょう。赤軍が1945年1月27日にアウシュヴィッツを占領したとき、中央建設局のすべての書類、収容所の建設・維持にかかわるすべての書類がソ連の手に落ちました。この文書はモスクワに運ばれて、文書館に保管され、ソ連崩壊以後に公開されるようになりました。それ以来、さまざまな研究者がこの文書資料を発掘・研究しています。そのうちもっとも有名なのが、すでに何回も言及しているイタリアの修正主義的歴史家マットーニョとドイツ人技術者と建築家グループです。これまで、この文書に関心を示したメインストリームの歴史家は一人もいません。

L（聴衆）：驚くべきことですね。工芸品やミイラのつまった古代エジプトの巨墓が突然発見されたとすれば、世界中の考古学会には何が起るでしょうか。考古学者たちがこの墓に殺到するでしょう。しかし、ホロコーストの場合には、ホロコースト正史派の研究者たちは気にもかけないようでした。

R：そのとおりです。ホロコースト正史派の研究者が関心を抱いているのは事実ではなく、神話にすぎないからです。

　私の検証を二つの部分に分けたいと思います。第一部はアウシュヴィッツでの大量殺戮説とは矛盾する文書資料を、第二部は文脈から取り出されて、あたかも大量殺戮を示唆しているかのような文書資料を取り扱います。いくつかの典型的事例を取り上げることで、適切な文脈の中で取りあつかえば、いわゆる「犯罪の痕跡」などはすぐに根拠を失ってしまうことを明らかにするつもりです。

　さて、第一のグループです。3.4.6節で、アウシュヴィッツに設置された高周波害虫駆除装置のことにすでに触れています。このテーマに関する技術者Hans Jurgen Nowakの論文をぜひお読みください。そうすれば、アウシュヴィッツのSSが、チフスとの闘いの中で、収容所の衛生状態を必死に改善しようとしていたことがわかります。彼らは、人を殺すよりも、人の命を守ろうとしていたのです。

　すでに言及しましたが、これとは視点の異なる方法を使った論文の中で、マットーニョは、SSがアウシュヴィッツ収容所の衛生状態を改善し、生存率を高めようとしており、その中で焼却棟には大きな役割が与えられていたことを明らかにしています。

　先にお話したドイツの技術者グループは、文書資料に記載されている明細から、アウシュヴィッツの建設コストを算出する計算を行ないました[1]。現在の通貨に換算すると、SSは10億ドル相当の金額を使っていますが、それは、そこで殺されたとされている囚人一人あたり1000ドル以上になります。

L：10億ドルですって？鉄砲の弾が数ペニーであることを考えると、きわめて高価な死の収容所ですね。

R：そのとおりです。アメリカ軍は戦後、ドイツのライン川沿いに捕虜収容所を建設し、そこに収容されたドイツ軍捕虜は、食料・水・医療の欠如のために、1945年から47年にかけて数千単位で死亡していきました[2]。この収容所と較べてごらんなさい。絶滅収容所に必要なのは鉄条網と少数の看守、数千ドルの資材だけです。

L：しかし、アウシュヴィッツは死の収容所ではなく、労働収容所でした。ですから、SSは、労働可能囚人を生かしておくためには多額の費用を費やしたのではありませんか――これすらも、疫病が蔓延してからはじめて行なわれたことですが――？　しかし、このことは、労働不能囚人たちに何が起ったのかをまったく明らかにしていません。

R：表面的には、正しいご意見です。しかし、論理的な罠があります。絶滅物語によると、囚人が収容所に到着すると、SS医師団が労働不能囚人を選別し、労働不能囚人は治療を受けるのではなく、ガス処刑されたことになっています。しかし、同時に、収容所では疫病が蔓延しており、数千の囚人が労働不能になっていたのです。これらの囚人は、「ガス室」に送られたのではなく、収容所の病院に送られて、看護・治療を受けていました。

L：なんですって。アウシュヴィッツには囚人用の病院があったのですか？

R：はい、ありました。ビルケナウの大半は治療区画になりました。アウシュヴィッツ博物館には無数のカルテが保管されており、それによると、収容所は病気の囚人のために巨額の費用を投じていることがわかります。

　隣接するライスコ収容所では1942年に、武装SSは収容所の保健衛生環境を改善するための「保健衛生バクテリア検査局（Hygienisch-bakteriologische Untersuchungs-Stelle）を設置しています。この部局の文書資料を見ると、疫病との戦いがどのような規模で行なわれたのかわかります[3]。そして、信じられないほどの精力的な研究者マットーニョは、アウシュヴィッツの保健衛生システムがいかに包括的なものであったのかを明らかにする文書資料集――オリジナルの収容所記録にもとづく――を完成させようとしています[4]。

L：このことは、アウシュヴィッツが絶滅収容所であったという考えかたとひどく矛盾していますね。

R：あとで、アウシュヴィッツの病院にいた時期のことに触れている囚人の証言を紹介することにします。

　収容所管理局が囚人たちを生かしておくように尽力したとすれば、到着したときの病弱であった囚人たちにどうして同じような措置をとらなかったのでしょうか。このような疑問が当然わいてきます。

　次に、第二のグループの文書資料、すなわち、本講義の冒頭で触れたいわゆるコード言語で事件を記しているとみなされている文書資料のことを検討したいと思います。アウシュヴィッツ収容所の文書資料には、大量殺戮のことは記載されていません。しかし、その代わりに、「特別措置」、「特別処置」、「特別行動」、「特別命令」といったコード言語が使われたというのです。マットーニョはこの問題でモノグラフを上梓しており、このような表現が登場しているすべての文書資料を検証しています[5]。

　ホロコースト正史が、「特別行動」という単語を数多くは使っているが、まったく犯罪を示唆したものではない文書を、ミスリードして解釈している事例を、一つ紹介しておきます。1942年12月16日、ドイツの秘密国家警察（ゲシュタポ）は、アウシュヴィッツの「すべての民間人労働者に対する、保安理由のための特別行動」を行ないました[6]。この場合、ゲシュタポは、収容所建設に必要であったドイツの民間人労働者の処刑をはじめたということでしょうか？

L：そんなことはありえないでしょう。

R：そのとおりです。しかし、ホロコーストの行商人が主張しているのはまさにそのようなことです[7]。事実はこうです。アウシュヴィッツ収容所は、チフスの蔓延のために1942年夏から隔離状態にありました。民間人労働者でさえもしばらくのあいだ収容所を離れることを許されなかったので、彼らはストライキを起こすにいたりました。このために、ゲシュタポは、通常業務外の「特別行動」として、事態の改善のために[8]「すべての民間人労働者」に尋問し、「このために、1942年12月23日から1943年1月4日までの休暇が［民間人労働者には］ぜひとも必要である」との結論に達したのです。

　12月22日、「特別行動」の4日後、民間人労働者はまったく元気になりました。翌25日、905名が非常に満足してクリスマス休暇に出かけ、それは1月3日まで続いたのです[9]。

L：第三帝国時代の文書には、「特別措置」という用語が処刑と結びついている文書資料があるのではありませんか。

R：そのとおりです。例えば、重大な犯罪を犯せば、「縄を使った特別措置」が処罰となると述べている文書があります。しかし、その他のケースでは、「特別措置」なる用語は、何か好意的な事柄をさしています。敵国の高官が捕えられた場合、「特別措置」とは、しかるべきサービスを提供する豪華なホテルに宿泊することを意味していました[10]。ですから、この用語の意味はその文脈にかかっていたのです。ある文書では、「特別措置」が処刑や絶滅を意味していたとしても、そのことがいつも必然的にすべての文書での解釈となるわけではないのです。

L：ある文書での意味がすべての文書での意味合いに解釈できるとすれば、まったく馬鹿げたことになるでしょう。日常会話では、ありふれた話ですが、それは、一般的な意味合いからずれた表現がいつも存在するということを意味しています。「特権」を得た人物が、殺されてしまうということを意味するわけではありませんが、この場合、この用語と「特別措置」という用語にどのような違いがあるのでしょうか？

R：そのとおりです。アウシュヴィッツに関していえば、マットーニョが、さまざまな文書館で検証して文書資料の大半で、このような用語は収容所の衛生状態を改善をする措置をさすために使われていたことを発見しています[11]。ここでもふたたび、もっとも高いレベルの指令に応じるかたちで、収容所管理局は、死亡率を下げることに尽力しています[12]。彼は、このような用語が処刑と結び付けて使われている事例をアウシュヴィッツ中央建設局のファイルからは一つも発見できませんでした。ホロコースト正史派の歴史家による、これとは逆の解釈は、文脈を知らないか、それを無視しているために、間違った解釈を行なっているのです。

L：あるいは、善意の反ファシズムから、嘘をつくように強いられているためですね。

R：理由は何であれ。いずれにしても、マットーニョの研究は、いわゆるコード言語というホロコースト正史の定説が虚偽であることを明らかにしました。コード言語説はまったく論破されてしまったのです。

L：でも、アウシュヴィッツの悪名高い鉄道降車場での選別が、「ガス室」のための選別ではないとしたら、何だったのですか？このような選別は行なわれなかったのですか？

R：行なわれましたが、「選別」ではなく、「仕分け」という用語が使われていました。このような仕分けが行なわれたことに疑問の余地はありません。数百、数千の囚人が到着すると、ある種の配分が行なわれなくてはならなかったのです。これらの囚人をどこかに送らなくてはなりませんでした。労働可能な囚人でさえも、その技能に応じて選別されなくてはなりませんでした。この件について、アウシュヴィッツの囚人アーノルド・フリードマンの証言を引用することもできます。1985年の最初のツンデル裁判のとき、『アウシュヴィッツ・アルバム』[13]に掲載されているアウシュヴィッツでの選別を撮影した戦時中の写真が提出されると、検事側証人フリードマン（A）と弁護人（Q）とのあいだで、次のような質疑が交わされています[14]。

Q：わかりました。頁をくってください。28頁と29頁があります。これは選別のプロセスですね。

A：正確にいえば、28頁が選別のプロセスで、29頁は個々人への尋問です。

Q：わかりました。

A：どのような尋問であったのか説明させていただくと、それは、専門的技能をもっている人々を探し出すためでした。それは、脇にしりぞけられるまえの老人に対しても行なわれました。医者や、技術者のようなとくに必要としている人物を探し求めていたのです。

Q：技術者ですって？

A：技術者などです。

Q：彼らの技能を利用しようとしていたのですか？

A：彼らが何をしようとしていたのかはわかりませんが、これが私の知っているところの選別プロセスです。

Q：彼らは何らかの理由から技能に応じて囚人を選別していたのですね？

A：ときどきです。

　ご覧のとおり、フリードマン自身が、選別の目的についての絶滅伝説の正体を不本意ながら暴いています。

　絶滅伝説によると、到着した囚人のうち、労働可能な囚人は強制労働者として中欧収容所に収容されて、収容所管理局のファイルに登録されました。目撃証人によると、収容所に医師によって労働不能と判定された囚人――病人、虚弱者、老人、子供――は直接「ガス室」送りになり、収容所の記録簿にはまったく登録されなかったことになっています。また、いわゆるガス処刑の犠牲者は一人も登録されていないので、その合計の数字は日々の数をもとにしてだけ算出できるということになっています。

　この伝説の前半部、すなわち登録囚人については、文書資料によって確認されています。ドイツ的慣習として、登録囚人に起ったことはすべて、細かい点まで記録されました。囚人が死ねば、官僚主義的な熱意が雪崩のように発揮されました。書類が作成され、項目が更新され、報告書が書かれて、すべての部局に送られたのです。

　ですから、アウシュヴィッツで死亡した登録囚人の一人一人の死亡記録は、膨大な文書資料を残しています。その一つが『死亡者名簿』で、アウシュヴィッツの登録囚人が収容期間中に死亡した場合、この『名簿』に記録されました。しかし、この『死亡者名簿』は戦後、姿を消していました。

　1990年代初頭、ドイツのメディアは、ソ連が終戦時のこの名簿を発見し、それを秘密文書館に保管していたが、ドイツのアロルセン町にある国際赤十字追跡センターに譲渡しようとしていると報道しました。この記事によると、アウシュヴィッツで死亡した74000名の登録囚人が、この死亡者名簿に詳しく記載されているという話です[15]。その5年後、赤十字はこの死亡者名簿の抜粋を公表しました。1943年末までにアウシュヴィッツで死亡した68751名の登録囚人の運命がこの名簿に記載されています。1944年の分はまだ発見されていません。非常に興味深いのは、死亡者の年齢についての統計数字です。どのようなことが想定できますか？

L：アウシュヴィッツに登録されたのは労働可能な囚人だけであったのかを知ることができます。

R：そのとおりです。もしも絶滅伝説が本当であるとすれば、この死亡者名簿には登録されたとき14歳以下か60歳以上の囚人犠牲者は一人もいないはずです。

　1991年、ドイツのジャーナリスト、ヴォルフガング・ケンプケンスが、コネを使って、アウシュヴィッツの死亡者名簿が保管されているロシアの文書館で800ほどの死亡証明書をコピーするのを許されました。そして、そのうちの127通を小さな本にまとめ、売りに出しました。修正主義者は大喜びしました。彼が選んだ文書資料の中には、死亡時の年齢が60、70、ひいては80歳以上の老人、および10歳以下の子供がいたからです[16]。

　でも、このことはそんなに驚くべきことではありません。アウシュヴィッツには非常に多くの労働不能囚人がいたましたが、彼らが殺されなかったことを示している文書が、かなり前から発見されていたからです[17]。

　今では、名前、誕生日、死亡日、出生地、居住地ごとにオンラインで死亡者名簿を検索することができます。しかし、データベースを検索するには有効な名前を持っていなくてはなりません[18]。

表11：アウシュヴィッツで死亡した登録囚人の年齢
年齢	数	%
>90	2	0
80-90	73	0.1
70-80	482	0.7
60-70	2083	3.0
50-60	8040	11.7
40-50	15512	22.5
30-40	18430	26.7
20-30	14830	21.5
10-20	6715	9.7
00-10	2584	3.7
	68751	99.6

　表11は、年齢グループごとの死亡者分類です[19]。このことをもっと詳しく明らかにするために、付録の表24に、80歳以上の登録囚人の死亡の詳細なリストをまとめてあります[20]。

L：その中には数多くの非ユダヤ人もいますね。

R：いたはずです。ユダヤ人はアウシュヴィッツの囚人グループの一つにすぎませんでした。「信仰」という範疇だけでは、民族社会主義者がこれらの囚人をどのように分類したのかわかりません。当時、ドイツ当局は改宗したユダヤ人もユダヤ人として分類していたからです。信仰と人種は別のカテゴリーです。ユダヤ人は宗教集団のメンバーとしてではなく、人種として迫害されていました。いずれにしても、これらの80歳以上の集団には、レジスタンス戦士、重大犯罪者、政治囚が数多くいたとは考えられません。ですから、民族社会主義者は、彼らの大半をユダヤ人として定義していたのでしょう。

図76：死亡者名簿の中のアウシュヴィッツの犠牲者の年齢グループごとの分布

　これらの統計数字によると、少なくとも10%の登録囚人が、到着すると、登録されずにガス処刑されたはずの年齢グループに属しています。また、図76からもわかりますように、犠牲者の分布曲線は、さまざまな年齢グループを通じて調和的であることも注目に値します。もしも、特定の年齢以上のすべての人々、特定の年齢以下のすべての子供が登録されずに殺害されたとすれば、曲線はその境界となる年齢のところで急カーブを描くでしょう。しかし、そうはなっていません。

　さらに、当初は、青壮年の成人ユダヤ人だけが強制労働のためにアウシュヴィッツに移送されてきたことを念頭におかなくてはなりません。彼らは、1942年に蔓延したチフスも含む最初の破局的な保健・衛生状態の犠牲者の大半を構成していました。子供や老人が移送されてきたのはかなりのちのことでした。ですから、1942年の最初の破局的なチフスの流行の犠牲者となった子供や老人の割合は、かなり低かったはずです。

　また、死亡者名簿から、1942年夏以降、かならずしもすべての囚人が登録されなかった理由を推測できます。この年の7月半ばまで、アウシュヴィッツに移送されたユダヤ人のほぼ全員が登録されていました。この状況は、チフスの流行のために収容所の全面封鎖(vollstandige Lagersperre)が宣言された1942年7月23日に劇的に変わりました[21]。その後、アウシュヴィッツ収容所に受け入れられたのはごく少数でした。さまざまな証拠を考慮すると、SSはチフスの流行のために、新しく到着した囚人をアウシュヴィッツに直接受け入れることを停止し、その代わりに、到着した囚人の大半を他の収容所に移送したと結論せざるをえません[22]。

L：これまでのルドルフさんの説明から判断すると、目撃証人とルドルフさんとの差異は、選別の理由だけのようですね。

R：囚人たち、とくに病人や衰弱者が、到着と同時に仕分けにかけられたことに疑問の余地はありません。しかし、ここで紹介した情報から判断しますと、仕分けの目的は「ガス室」とか「強制労働」ではなく、これらの囚人たちを収容所に入れることを許可すべきかどうか、もし許可すべきであるとすれば、収容所のどの区画に収容すべきか、もしくは、他の収容所かゲットーに送るべきかどうかという問題でした。

　メインストリームの歴史家でさえも、アウシュヴィッツに登録されなかったけれども、到着後すぐにガス処刑の対象とならなかった囚人が数多かったことを認めています。例えば、イスラエルのホロコースト記念館ヤド・ヴァシェム館長クラコフスキは、こう述べています[23]。

「ドイツ人は検疫所に送られる囚人を登録しなかったし、そこに送られた囚人の数についての統計データも作らなかった。他の強制収容所に送られた囚人も登録されなかった。アウシュヴィッツの衛星収容所での労働に選別された囚人たちだけが登録され、アウシュヴィッツ強制収容所番号を入れ墨された。」

やはりメインストリームの歴史家ライトリンガーもこう述べています[24]。

「1944年にはユダヤ人の大集団が、他の場所への移送を待ちつつ、登録もされずに収容所にとどまっていた。あまりにも長くとどまっていたので、疫病で死ぬ者も現れた。」

　修正主義的研究者A. Widmannは的確にもこう述べています[25]。

「問題は、登録されない囚人がどこかに移送されたかどうかではなく、何名が移送されたかである。」

　ですから、アウシュヴィッツに到着した移送者たちすべてがかならずしも登録されなかったという事実は、彼らに何か悪いことが起ったことを証明しているわけではないのです。また、ホロコースト正史は、病気の囚人、虚弱な囚人が衛星収容所からビルケナウに戻すのは、ビルケナウで彼らを殺すためであると主張していますが、文書資料によると、そうではなく、特別な医療措置をほどこすことのできるビルケナウの大規模治療施設に入所するのを許可することでした。

L：ドイツ人はアウシュヴィッツの囚人が快適に暮らせるようにまず配慮していたとおっしゃるのですか？

R：別の極論をするべきではありません。極論は虚偽となるか、誤解をまねくだけですから。普通、真実は二つの極論のあいだにあります。すでにお話しましたように、ビルケナウでは疫病が流行していました。死亡者名簿の死因を見ると、医療行為が不足していたことがわかります。さらに、文書資料にもとづく、この収容所の最少の犠牲者数だけでも、アウシュヴィッツの囚人に適切な配慮がなされていなかったことがわかります。

L：しかし、ガス室のことに触れているアウシュヴィッツの文書がありますね。

R：付け加えさせてください。ガス室、気密ドア・窓などに触れている一連の文書があります。前に紹介した、ガス室についての1947年のポーランド専門家報告にもそのようなものが数多く入っています。1989年、プレサックがそれらを更新して、「犯罪の痕跡」と呼びました。問題は簡単です。これらの文書のどれ一つとして殺人ガス室のことに触れているのではないのです。アウシュヴィッツに数多くのガス室が存在したことを誰も否定してはいません。ビルケナウ建設区画1の二つの衛生施設の平面図をご覧ください。図77です[26]。何と書いてありますか？

図77: 改築以前の建物5aと（対称型の建物5b）のHCN害虫駆除翼室の平面図。

L：ガス室（“Gaskammer”）です。

R：そのとおりです。チフス対策のために使われたシアン化水素害虫駆除室の一つです。

　設計図の中に、害虫駆除室をさす用語として「ガス室」が登場しているのは、示唆に富んでいます。この用語がもっぱら害虫駆除施設をさす用語として使われていたことを証明しているからです。建物を設計した建築家だけではなく、害虫駆除職人もそのように使っていたのです。典型的な例は、1943年に書かれている、燻蒸についてのドイツの戦時中の雑誌の書名『チフス対策のためのシアン化水素化合物ガス室（Blausauregaskammern zur Fleckfieberabwehr）』です[27]。

図78：ガス処理を適用できるさまざまな対象：製粉所、船舶、倉庫、穀物倉庫、家、鉄道、自動車、トラックそしてガス室についてのデゲシュ社の広告[28]

　図76にあるように、チクロンBを製造していたデゲシュ社の広告には、害虫駆除室をさす用語として「ガス室」が使われています。ですから、「ガス室」という単語は、害虫駆除室をさす単語としてごく普通に使われていたのです。

　この説を反駁する証拠が登場してこない限り、論理的には、ガス室という用語がこの時期のドイツ側資料に登場してきたときには、それは害虫駆除室をさしていると考えなくてはなりません。その意味だけが、文書資料にもとづいて唯一確定されているのですから。

L：今は、事情が少々違いますね。

R：第二次世界大戦以降の容赦のない大量殺戮宣伝を考えれば当然のことです。でも、このことは、1945年以前にはまったく異なった事情であったという事実を変えることはできません。

　アウシュヴィッツの話に戻りましょう。1942年夏、収容所管理局は、チフスの流行を抑えきれなくなると、害虫駆除施設の拡張を計画しました。その建設には時間がかかるので、一時的に、焼却棟を衛生施設として利用することまで考えました。焼却棟の建設が進められていたためでした。一連の文書では、焼却棟ⅡとⅢの地下室の一つに囚人用のシャワーを設置することまで検討されています[29]。

　紙面の関係から、ダヴィドフスキ教授、ついでプレサック、ついでペルト教授、エトセトラ、エトセトラがでっち上げてきた「犯罪の痕跡」のすべてを検討することはできません[30]。色々な角度から反論されていますので、その論文と典拠資料をあげておくだけにします[31]。

　とはいっても、ホロコースト正史派の研究者が、ある文書資料には大量殺戮という「犯罪の痕跡」が残っていると主張するにあたっての、彼らの方法について、二つの例を紹介していきたいと思います。この事例は、このような痕跡の存在を認めるには知性が低くなくてはならないことを示しています。

　焼却棟ⅡとⅢが計画されるにあたって、1942年夏にオリジナルの設計計画が修正され、地下室に入る階段を追加することが決定されました。オリジナル・プランでの地下室への入り口とは異なって、この補助的入り口は、死体滑降シューターのところに作られませんでした。

　プレサックは、この計画変更から、死体滑降シューター無しの新しい階段の建設は、これ以降、死体が地下室に滑り降ろされるのではなく、犠牲者がそこに歩いて降りていき、そこで殺されるようになったとしか説明できないという結論に達したのです。プレサックにとっては、これは、大量殺戮の意図の証拠でした[32]。さらに、自説を補強するために、オリジナルの入り口のところにあった死体滑降シューターが取り除かれたと主張しました。マットーニョが明らかにしたように、この主張は間違っており、死体シューターは1943年の焼却棟の図面すべてに残っていました[33]。

　さらに、追加の入り口を建設する計画はそれが必要であった理由も明らかにしています。「道路側への入り口路の変更」という表題を持っているからです[34]。

　プレサック自身も認めているように、双子の焼却棟ⅡとⅢは、ビルケナウではなく中央収容所に建設される予定であった一つの新しい焼却棟の計画から生み出されてきたものです。SSが二つの対称型の同型焼却棟をビルケナウに建設することを決定したとき、多くの点を変更しなくてはならなかったにちがいありません。ビルケナウの沼地の地下水位が高いので、建物も少々高くしなくてはなりませんでした。ビルケナウでは地下室へのアクセス道路は、中央収容所とは逆の側にあったので、死体安置室を少し上に引き上げることによって、もともとの入り口に直接つらなる道路がカットされてしまったのです。図79、80をご覧ください。


図79：アウシュヴィッツ中央収容所のためにもともと計画された新しい焼却棟の配置図	図80: 焼却棟Ⅱの配置図、変更された計画。別の側（対称形の焼却棟Ⅲ）からのビルケナウの死体安置室と入り口路の高い位置にあわせるため。

L：プレサックはことをすべて知っていたのですか？

R：図面を掲載していますが、論理的に物事を考えることができなかったにちがいありません。死体滑降シューターが実際に取り除かれていたとしても、そのことによって、地下室に死体がまったく運び込まれなかったという結論が出てくるでしょうか？

L：滑り降ろされなかったということだけです。

R：そのとおりです。しかし、死体を運ぶ手段は滑り降ろすことだけでしょうか？死んだ場所から焼却棟の地下室の入り口までどのように運んだのでしょうか？地下室の階段から死体安置室の保管室までどのように運んだのでしょうか？そこから、焼却炉までどのように運んだのでしょうか？ずっと滑らせていたのでしょうか？

L：もちろん、ちがいます。人の手によって運ばれるか、乗り物で運ばれたはずです。

R：そのとおりです。入り口にあった死体滑降シューターが取り除かれたと仮定して、どうして、そのことが大量殺戮を示唆することになるのでしょうか？少々、地下室へのアクセスが不便になるだけのことだと思いますが。

L：大量殺戮とはその人の脳内妄想なのでしょう。

R：冗談はほどほどにしてください。いずれにしても、実際には、シューターが取り除かれていない以上、プレサックとその同調者がこの脳内妄想を作り出すために使った時間を考えると、まったく愕然としてしまいます。ホロコースト正史派の研究者たちが、大量殺戮の証拠を求めて、そのような些細な事柄に関心を向け、そして、まったく根拠のない論拠から、大量殺戮を示唆する「犯罪の痕跡」を作り出していったとしても、少しでも、論理的に考えれば、そのような些細な事柄には犯罪を示唆するような証拠がまったくないことは明らかとなります。

　その他のいわゆる「犯罪の痕跡」も同じように根拠薄弱です。にもかかわらず、メインストリームの歴史家たちが繰り返しそれを主張するのは、彼らが、反論も考慮すべしという学問の公理を守っていないからです。彼らは、自分たちの主張がいくどとなく反駁されてきたという事実をたんに無視しているのです。

　二番目の例は、中央建設局から、囚人作業場である「ドイツ装備工場（Deutsche Ausrustungs-Werke）あての次のような内容の文書に関してです[35]。

「この際、建築現場30aの焼却棟Ⅲの地下死体安置室1用の100×192のガスドア発送に関する1943年3月6日の発注書のことを思い出すように。それは、［焼却棟Ⅲ］の反対側にある焼却棟Ⅱの地下ドアと同一の形態と寸法で、二重の8㎜のガラスののぞき穴、ゴムの気密線と枠を持って生産されるべきである。」

L：この犯罪の痕跡を否定できますか？

R：殺人ガス室がこれらの死体安置室に設置されており、ガス気密ドアを備えていたと考えていらっしゃるのですね？

L：この文書はそのようなことを伝えているようですが。

R：プレサックもそのように考えました[36]。しかし、事実は異なるのです。まず、文書は、このドアがガス室ではなく、死体安置室用のものであると明確に述べています。


図81：「100×192のガスドア」の督促
	図82：焼却棟Ⅱの死体安置室1の立面図。地下室の内部は幅7m、ドアの幅は2m	図83：「道路側への入り口路の変更」、焼却棟Ⅱの死体安置室1への両開きドア、回転式かもしれない

次に、死体安置室1、いわゆる殺人ガス室への入り口ドアは、現存の設計図によると幅2mです（図82）[37]。さらに、この死体安置室への入り口ドアは両開きです（図83）[38]。しかし、先の文書に登場しているドアの幅は、1mにすぎません。ですから、この入り口に設置されたはずはありません。

　そのうえ、囚人工場DAWがアウシュヴィッツで製造したいわゆる「気密」ドアは、図84のようなものです[39]。

図84：アウシュヴィッツの害虫駆除室の木造ドア、ガス気密措置がほどこされており、のぞき穴と金属製の防護網が付けられている。殺人「ガス室」のガス気密ドアもこのようなものであったと考えられている。

ひどくもろい錠がついていることに注意。

L：ドアの上には何と書かれているのですか？

R：「毒ガス、危険」です。アウシュヴィッツのシアン化水素害虫駆除室のドアです。プレサックの本には、アウシュヴィッツで発見されたこのようなドアすべての写真が載っています[40]。どれも、木の板で作られており、使われるときにはフェルト片で一時しのぎにシールドされました。

L：でも、害虫駆除室にガラスの穴と金属防護網のついたのぞき穴がついているのはなぜですか？

R：ドイツではそのような規則であったからです。シアン化水素は危険な毒です。ですから、この当時、誰かが外から観察することなしに、害虫駆除ガス室に入ることは禁止されていました。緊急の場合、この観察者が救助したのです[41]。

　技術者NowakとRademacherは、次のように指摘していますが、この指摘は非常に重要です。すなわち、アウシュヴィッツのいわゆる「ガス気密」木製ドアは、技術的な意味では本物のガス気密ではなかった、板はシールドされておらず、蝶番は木のあいだを通るボルトで固定されており、フェルトのガスケットは大量のガスを通してしまったというのです[42]。

L：シラミを燻蒸する場合には役立ったかもしれませんが、殺されようとする数百の人間をこのドアの中に閉じ込めておくことができるというのは、妄想ですね。

R：どうしてですか？

L：普通の蝶番ともろい錠のついた木製のドアで、死の恐怖におちいってパニック状態にある数百の人々を押しとどめることができると考える方が馬鹿げています。大量処刑室であるとすれば、最低限、普通の刑務所の金属ドアが必要です。

R：まったくそのとおりです。スポーツ・スタジアムでパニックにおちいった数百の群衆が、金属製の柱を引き倒し、コンクリートの壁さえも打ち壊すことができることを考えますと。また、大量処刑室であるとすると、そのドアは外開きでなくてはなりません。内開きであった場合、ドアの前の死体の山のために、開けることができなくなってしまいます。パニックにおちいった数百の人々の圧力に耐えるために、外開きのドアは、どのくらいの耐久力をもっていなくてはならないでしょうか？

L：金属製でなくてはなりませんし、強く固定され、ボルトでシールドされていなくてはなりません。

R：アウシュヴィッツで発見された、一時しのぎのもろい木製「気密」ドアは、このような条件をクリアできません。焼却棟ⅡとⅢの死体安置室に設置されたような両外開きドアも、このような圧力に耐えることはできなかったでしょう。数秒で、開けられてしまうでしょう。

　大量殺戮用のガス気密ドアであれば、少なくとも、図85、86のようなものでなくてはなりません。


図85：一人用処刑ガス室のドア（合衆国、ボルチモア、1954年、1930年代の技術工学）	図86：ダッハウ収容所の専門的害虫駆除室（デゲシュ循環システム方式）のドア

　左側は、アメリカで個人を処刑するために使われているガス室のドアです。右側は、ダッハウの専門的シアン化水素害虫駆除室のドアです。

L：アウシュヴィッツには似たようなドアはなかったのですね？

R：ありませんでした。金属製のドアは残っていませんし、それについての文書資料や目撃証言もありません。あらゆる証拠から判断すると、先にお話したような木製のドア以外にはありませんでした。

図87：デゲシュ製循環害虫駆除室のガス気密金属ドアの図面（1942年3月20日、ベルニングハウス社製作）。ベルニングハウス社とアウシュヴィッツ収容所当局との書簡によると、これらのドアは1944年5月に発注されたが、11月になっても、発送されていない。

　しかし、話はもっと面白いのです。1942年夏、収容所管理局は、まだ計画段階にあったデゲシュ製害虫駆除室に設置される金属気密ドアの製作を依頼しているのです。1942年9月にベルニングハウス社に依頼したのですが、収容所管理局が実際に発注したのは1944年5月のことでした。ベルニングハウス社の書簡からもわかるように、これらのドアは1944年11月になっても発送されていません[43]。ですから、防空シェルターに改築された焼却棟Ⅰ（中央収容所）に1944年末頃に設置されたドアをのぞいて、収容所管理局がこのようなドアを受けとったことを示唆する証拠はありません。そのようなドアを必要としていなかったのでしょう。

L：それでは、焼却棟Ⅱの死体安置室用に発注された「ガスドア」の使用目的は何だったのですか？

R：すでにお話しましたように、1943年初頭、焼却棟ⅡとⅢの地下室のうち、少なくとも一つを囚人用シャワー室も含む保健・衛生施設に改造することが計画されていました。実行はされませんでしたが、害虫駆除装置の設置までもが考慮されていたようです。ですから、ガスドアの発注はこの件と関連しているのです。

L：でも、これらの死体安置室がシャワー室として使われたとすれば、チフスの犠牲者の死体はどこに保管されたのですか？

R：地下室の一つか二つを使うことでボトルネックを克服したのでしょう。死体安置室本来の目的には反していますので、期間限定の使用だったのでしょう。しかし、あなたの質問は、正しいアプローチなのです。ホロコースト正史では、いくつかの地下室ではなく、すべての地下死体安置室が、ガス室ならびに脱衣室として、一時的にではなく恒常的に使われたことになっています。だとすすると、チフスの犠牲者の死体はどこに保管したのかという疑問点が当然生じてくるのです。念を押しておきますが、ホロコースト正史では、焼却棟ⅡとⅢの地下死体安置室は、焼却棟稼働直後から殺人ガス室と脱衣室として使われたことになっています。しかし、同じ頃、収容所ではチフスの蔓延のための数千の犠牲者の死体が焼却を待っていたはずです。地下室は、殺人ガス室・脱衣室という目的と、死体安置室という目的を同時に果たすことはできません。チフスによる犠牲者が多かったことを考えると、少なくとも一つの地下室は死体安置室として使われたはずです。すでにお話しましたように、ドイツのメインストリームの歴史家ノルテは、この事実に言及しています。

L：それはちょっとしたつけたしのようですね。

R：しかし、これらの地下室になぜガス気密ドアが設置されたかについては、別の説明もあります。収容所管理局は、収容所で唯一のコンクリートの地下室を防空シェルターとしても使いたがっていたことと、ドアの設置が関連しているというのです。例えば、焼却棟を建設したフタ社の主任技師ヴァルター・シュライバーは、リュフトルとのインタビューでこう説明しています[44]。

リュフトル：コンクリートで強化された天井にあったとされる投入穴について何かご存知ですか？

シュライバー：知りません、私の記憶にはありません。しかし、この部屋は副次的目的として防空シェルターとしても使われることを意図されていたので、投入穴［換気口］が副産物として想定されることもあったのかもしれません。もし、そうなった場合には、私は強く反対したでしょうが。

　何人かの目撃証人が強調していますが[45]、実際に、これらの地下室は囚人用の防空シェルターとして使われました。このような説は、ここでは詳しくあつかいませんが、「犯罪」ではない「痕跡」の探求というアプローチです。サムエル・クロウェルは、どのようにSSが囚人および自分たちのために防空シェルターを設置したのかについて、いくつかの論文で明らかにしています[46]。しかし、ドアの目的が何であれ、それは堅牢な金属製ではありませんでした。そして、大量殺戮のために使われる部屋には、堅牢な金属性ドアが必要であったはずです。

L：ということは、SSは囚人を空襲から守るために「ガス気密」ドアを使ったということですか？

R：もしくは、やはり囚人の命を守るために害虫駆除室のドアとして。

L：ということは、大量殺戮を示唆しているとみなされていた「ガス気密ドア」も、命を救う装置だったのですね？

R：そのとおりです。チクロンBと同じです。

　まとめておきましょう。SSは1942年晩秋か冬の初め、ビルケナウの焼却棟ⅡとⅢの改造を行い、それを保健・衛生施設から大量殺戮施設に改築したという話になっています。もしそのような改築が行なわれたとすれば、SSによる、そのおもな改造計画の目的は次の3点となることでしょう。

① 毒をガス室に注入すること

② パニックにおちいる可能性のある犠牲者をガス室に閉じ込めておくこと

③ 毒をガス室から取り除くこと

　ところが、実際には、SSはそのいずれも達成していません。

① いわゆるチクロンB投入穴は、改造計画の一部ではありませんでした。SSはそれを計画に含めることを忘れて、あとで、屋根に穴を穿ったという話となっています。しかし、そのような穴の痕跡も存在しません（3.4.7節参照）

② SSが、1000人以上のパニックにおちいった犠牲者を部屋の中に閉じ込めておくことを可能にするような、パニックに耐えることのできる堅牢な金属製ドアを発注・受け取り・設置したという証拠は一つもありません。

③ 地下の死体安置室をガス室に改造しようとすれば、大量の毒ガスを急速に排出するために、死体安置室用よりも強力な換気システムを備えなくてはなりませんが、そのような設計変更は行なわれませんでした。その能力は死体安置室としては標準的ですが、チクロンB害虫駆除室としては標準以下でした。殺人ガス室といわれてきた部屋の換気システムは、この建物の中の部屋の中で、もっとも弱い換気能力しか持っていませんでした。

　ですから、すべての証拠は、このような改築が行なわれなかったことを立証しているのです。ホロコースト正史派が力説する「犯罪の痕跡」とは、まったく不適切な事柄をまったく不適切に解釈した結果出てきたものにすぎません。

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