歴史的修正主義研究会

最終修正日:2004304

 

<質問9

わが国の正史派の研究者○○氏は、最近刊行されたホロコースト研究書の中で、「否定論の似非科学的手法」の一例として「ロイヒター報告」をあげていますが、歴史的修正主義者はこの点についてどのように考えていますか?

 

<回答>

 たしかに、○○氏は、その研究書の中で、ロイヒター報告について次のように述べています。

 

「ロイヒターは確かにアウシュヴィッツ、ビルケナウ、マイダネクに出かけた。彼は極秘に壁の断片を剥ぎ取って、『ガス室』、『虱駆除室』の『試料』を持ちかえったと主張したが、その試料の採取場所、採取時間など科学的証明に不可欠なデータは欠如していた。『ガス室』と『虱駆除室』の試料を区別しなければならないのにその適切な処理をせず、また科学的信頼性のある実験室で試料の検査を行なったかどうかの証拠も示されていなかった。そのような前提を欠くまま、ガス室とされるところの壁からはシアン化合物がほとんどまったく検出されないが、虱駆除用の部屋の壁からはその何十倍もシアン化合物が出た、『それゆえに』ツィクロンBはユダヤ人を殺すためではなく、虱駆除・消毒用に使われたのだと主張した。[脚注18Brigitte Bailer-Galanda, Der Leuchter-Bericht, in : Amoklauf gegen die Wirklich, hrsg. v. Dokumentationsarchiv des  öeterreichichschen Wilderstandes/Bundesministerium für Unterricht und Kunst, Wien 1991, S. 43.

 さらに化学の知識も不十分だった。ロイヒターは現在のアメリカの処刑設備を前提に、人間の殺害のためには3200ppmの濃度が必要だと断定した。しかし、実際には人間を殺すには300ppmで十分であり、虱駆除の方がはるかに高い濃度が必要だった。人間殺害のためには異常に高い濃度が必要だとの誤った仮定のもとに、ロイヒターはガス室の気密性の不十分さや換気システムの欠如を問題とした。しかし、この議論は彼が現在のアウシュヴィッツにある歴史記念館としての『ガス室』を勝手に戦時中の本物のガス室と混同しているにすぎなかった。ガス室に利用された死体おき場の壁は、当時、漆喰の上塗りで密封されていたし、当時の設計図が示すように換気システムも完備されていた。[脚注19Judgment, April 11 th. 2000, p. 80f.]」[1]

 

 ○○氏は、ロイヒターの科学的・化学的・技術的報告のことを、「似非科学」という最悪の言葉で断罪していますので、○○氏自身は、アウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所の焼却棟、「殺人ガス室」、害虫駆除室、「大量ガス処刑」手順などの「科学的・化学的・技術的」側面について、「似非科学者」ロイヒター以上の「科学的知識」を持っていると自負されていることになります。ですから、上記のテキストを一文、一文検証してみましょう。

 

論点

 

1ロイヒターは確かにアウシュヴィッツ、ビルケナウ、マイダネクに出かけた

 

@        ホロコーストとは「連続大量殺人事件」ですので、その殺害現場を実地調査して、殺人現場、凶器、被害者の死体などを科学的・化学的・技術的・法医学的に調査しなくてはならないのは、当然のことです。ロイヒターは、その後、ダッハウ、マウトハウゼン、ハルトハイムにも出かけていますので、この姿勢は高く評価できます(ちなみに、当研究会も、マイダネク収容所を調査したとき、収容所の入り口にある「殺人ガス室」から収容所の中央を走っている長い坂道を通って、まったく反対側にある焼却棟まで歩いてみたとき、この配置の不合理性を実感しました)。

A        もちろん、○○氏も、こうしたロイヒターの姿勢を高く評価していることと思います。

B        ですから、当然、正史派の研究者もこうした調査を行なっていると思いますが(そして、○○氏も、ご自分でそのような調査を行なわないまでも、そのような調査報告に関心を持っているはずですが)、そうした調査報告は脚注その他に見当たりません。つまり、○○氏は、ロイヒターの「似非科学」とは異なる比較の対象、いわば「真正科学」に値する報告書、参考文献などをあげていないのです。

C        手本が示されていなければ、「似非科学者」ロイヒター自身も「反省」することができないし、読者にも不親切な印象を与えてしまいます。

 

 

2彼は極秘に壁の断片を剥ぎ取って、『ガス室』、『虱駆除室』の『試料』を持ちかえったと主張したが、その試料の採取場所、採取時間など科学的証明に不可欠なデータは欠如していた

 

@        ロイヒター報告は採取した「試料」について次のように記しています。「31の試料が焼却棟T、U、V、W、Xのいわゆる『ガス室』から採取された。基準試料はビルケナウの害虫駆除施設から採取された。」採取時間は記してありませんが、採取期日でしたら、ロイヒターの調査が行なわれた19882月末から3月初頭のことでしょう。採取場所は明記してありますし、調査している様子の写真もロイヒター報告には掲載されています。

A        ○○氏が、もっと正確な採取場所と採取時間が「科学的証明に不可欠」であると考えているのでしたら、それが必要な理由、および、「科学的証明に不可欠なデータ」にもとづいた調査をご自身で実行するか、「科学的に不可欠なデータ」にもとづいた調査報告書を紹介すればよいだけのことです。

B        ちなみに、正史派の研究者が自説のためにしばしば援用してきたクラクフ法医学研究所の調査報告(1990年、1994年)にも、○○氏が要求している意味での、「採取場所、採取時間」などは記されていません[2]。ということは、○○氏は、クラクフ報告も「科学的証明に不可欠なデータは欠如」しているとの結論に達していることになります。

 

 

3『ガス室』と『虱駆除室』の試料を区別しなければならないのにその適切な処理をせず、また科学的信頼性のある実験室で試料の検査を行なったかどうかの証拠も示されていなかった

 

@    「『ガス室』と『虱駆除室』の試料を区別しなければならないのにその適切な処理をせず」という一文は、意味不明です。

A    ロイヒターは、「焼却棟T、U、V、W、Xのいわゆるガス室から」31個の試料を、「ビルケナウの害虫駆除施設から」1個の試料を、合計32個の試料を採取しています。ですから、試料1から31までが、いわゆる「殺人ガス室」から採取されたもの、32が「害虫駆除室」から採取されたものです。採取した段階では、はっきりと区別していたのです。

B    ただし、この試料の分析を、第三者の実験室に依頼したときには、1から31までの試料が「殺人ガス室」から採取されたもの、32が「害虫駆除室」から採取されたものと「区別」して依頼したわけではありません。先入観のない客観的分析結果を必要としていたのですから、科学者・化学者であれば、当然のことです。

C    ロイヒターは、採取した試料の分析を、マサチューセッツ州アシュランド(Ashland)にあるAlpha Analytical Laboratoriesという実験室に依頼しました。その分析結果報告書もロイヒター報告には掲載されています。

D    残念ながら、当研究会は、Alpha Analytical Laboratoriesがどのような組織であるのか知りません。ただし、○○氏がAlpha Analytical Laboratoriesは「科学的信頼性のある実験室」ではないと考えているのなら、まず氏がその証拠を提出すべきでしょう。そうでなければ、「科学的信頼性のある実験室で試料の検査を行なったかどうかの証拠も示されていなかった」という一文は、何とかしてロイヒター報告の信憑性をおとしめようとする中傷にすぎないことになります。

 

 

4そのような前提を欠くまま、ガス室とされるところの壁からはシアン化合物がほとんどまったく検出されないが、虱駆除用の部屋の壁からはその何十倍もシアン化合物が出た、「それゆえに」ツィクロンBはユダヤ人を殺すためではなく、虱駆除・消毒用に使われたのだと主張した

 

@        ロイヒターが32個の試料の分析を依頼したAlpha Analytical Laboratoriesの分析結果によると、131の試料、すなわち、「殺人ガス室」からの試料のシアン化合物濃度は07.9 mg/kg、害虫駆除室からのそれは1050 mg/kgでした。単純計算すれば、1050÷7.9133ですので、それを「何十倍」と表現するのは不適切です。

A         むしろ、「何十倍」という(約20倍)結果を出したのは、1990年のクラクフ法医学研究所の分析結果です。

B         ですから、「殺人ガス室」=0か微量、「害虫駆除室」=大量という分析結果は、ロイヒター報告と1990年のクラクフ報告では同一なのです(この分析結果にあわてたクラクフ法医学研究所は、この報告を公表せず、その後、何と分析対象を変えて、1994年に、二番目の報告書を作成したのです)。

C         「[ロイヒターは]ツィクロンBはユダヤ人を殺すためではなく、虱駆除・消毒用に使われたのだと主張した」という一文は、まったく意味不明ですし、不正確で、誤解すら呼び起こします。

D         なぜなら、この一文を裏返すと、「[○○氏は]ツィクロンBは虱駆除・消毒用ではなく、ユダヤ人を殺すために使われたのだと主張した」ということになってしまうからです。

E         かつて、正史派の中には、チクロンBのほとんどすべてが「大量ガス処刑」に使われたという説を唱えた研究者もたしかに存在しました。しかし、まさか、○○氏はそのように考えていないと思います。氏も典拠文献にあげているプレサックは、全体の9598%が害虫駆除用に使用されたと述べています。

F         ロイヒターの主張は、きわめて明快です。「これらの現場のどこにも、処刑ガス室は存在しなかった。現場検証の対象となったいわゆるガス室は、処刑ガス室ではありえなかったし、そのようなものとして使用されたり、機能したとは考えられないというのがこの報告書の作成者の技術的見解である。」これが報告の結論部分です。

 

 

5Brigitte Bailer-Galanda, Der Leuchter-Bericht, in : Amoklauf gegen die Wirklich, hrsg. v. Dokumentationsarchiv des  öeterreichichschen Wilderstandes/Bundesministerium für Unterricht und Kunst, Wien 1991, S. 43.

 

@        ロイヒター報告の典拠資料として、脚注にあげられているものです。ロイヒター報告の独訳版が収録されていると思われますが、残念ながら、当研究会はこの文献を所持していません。

A        いずれこの文献を入手したら、検証してみようと思います。○○氏がロイヒター報告の中身を不正確に理解しているように見えるのは、この典拠文献に収録されていると思われる独訳版に問題があるのかもしれません(ただし、○○氏はS. 43というように、1頁分しかあげていませんので、ひょっとしたら、この部分は著者の見解を述べている箇所にすぎないのかもしれません)。

B        いずれにしても、ロイヒター報告の全文(英語)は、印刷物としても、ウェッブ・ページとしても広く公表されています。

 

 

6さらに化学の知識も不十分だった

 

@        ロイヒターは、少なくとも、アメリカの青酸ガスを使った処刑ガス室の設計・建設を担当してきた人物です。

A        もちろん、そのような人物にも間違いがあり、知識が不十分であることもありますが、問題の化学的・技術的側面に通暁していない普通の歴史研究者であれば――当研究会もそうですが――、まず、謙虚に耳を傾けることから始めます。

 

 

7ロイヒターは現在のアメリカの処刑設備を前提に、人間の殺害のためには3200ppmの濃度が必要だと断定した。しかし、実際には人間を殺すには300ppmで十分であり、虱駆除の方がはるかに高い濃度が必要だった

 

@        ロイヒター報告には、「医学実験は、空気中の300ppmのシアン化水素ガス濃度が急速に致命的であることを明らかにしている。一般的に言えば、処刑目的では、3200ppmの濃度が、急速な死を確実にするために使われている」とあります。アメリカの処刑ガス室では、一人の死刑囚を確実に殺すためには、通常の致死濃度の10倍以上の濃度のシアン化水素ガスが使われていると述べたにすぎません。

A        ○○氏は、「人間を殺すには300ppmで十分」であると断言していますが、ロイヒターや歴史的修正主義者が問題としているのは、人間一人を殺すシアン化水素ガスの致死濃度のことではありません。それについては、ロイヒターも300ppmだと述べています。

B        問題としているのは、例えば、焼却棟Uの「殺人ガス室」を例にとれば、210uの空間で、目撃証人によると10003000名の人間を、5分から30分のあいだに全員を急速に死亡させ、そのあと、残存する青酸ガスを速やかに排気して、死体を搬出する、そしてこの作業をベルト・コンベアー式に連続的に行なうという「大量ガス処刑」におけるシアン化水素ガスの使用量とその濃度なのです。

C        歴史的修正主義者による、この問題の詳しい解明はルドルフ報告を待たなくてはなりませんが(次の質問10でルドルフ報告についての○○氏の見解を検証する予定です)、○○氏はロイヒター報告を「似非科学」と断罪していますので、Bの問題点、すなわち、「大量ガス処刑」におけるシアン化水素ガスの使用量とその濃度について、氏の見解を明らかにしておく必要があると思われます。

 

 

8人間殺害のためには異常に高い濃度が必要だとの誤った仮定のもとに、ロイヒターはガス室の気密性の不十分さや換気システムの欠如を問題とした

 

@        ロイヒターは、「人間の殺害のためには異常に高い濃度が必要だ」などとどこで主張しているのでしょうか。アメリカの処刑ガス室の専門家として、アメリカの処刑ガス室ではたった一人の死刑囚をガス処刑するために致死量の10倍以上の濃度のシアン化水素ガスが使用されているとすれば、10003000名を5分から30分で全員死亡させるには高濃度のシアン化水素ガスもしくは大量のシアン化水素ガスが使用されるはずである、および、そうしたことを可能にする装置が必要であると、ごく自然に推論したにすぎません。

A        もし、○○氏が、こうしたロイヒターの推論を「似非科学」と断罪するのでしたら、例えば、210u×高さ2.41m506㎥の空間に収容されている10003000名の囚人全員に、致死濃度300ppmのシアン化水素ガスを吸い込ませるには、どのくらいの時間がかかるのか、その時にはどのような装置が必要であるのかだけでも、明らかにする必要があります。

 

 

9しかし、この議論は彼が現在のアウシュヴィッツにある歴史記念館としての『ガス室』を勝手に戦時中の本物のガス室と混同しているにすぎなかった。

 

@        失礼な表現をお許しいただければ、「△△、たけだけしい」とはこの一文です。

A        学問的には偽造に近い焼却棟Tの死体安置室を「本物のガス室」として見学者に展示してきたのは(そして今もそのように展示されています)、一体誰なのでしょうか。

B        そして、○○氏が、焼却棟Tの死体安置室が戦時中は「本物のガス室」であったと考えているのならば、その証拠を明らかにする必要があります。

C        少なくとも、「戦時中の本物のガス室」とは異なっていることを認めているのであれば、例えば、今日、「ガス室への入り口」として展示されている防空シェルター用の入り口などは、アウシュヴィッツ博物館に撤去するように提案するべきではないでしょうか。誠実なプレサックは、歴史的事実を尊重するためにも、その入り口はふさぐべきであると述べています[3]

 

 

10ガス室に利用された死体おき場の壁は、当時、漆喰の上塗りで密封されていたし、当時の設計図が示すように換気システムも完備されていた

 

@        この問題については、質問2を参照してください。

 

 

11Judgment, April 11 th. 2000, p. 80f.

 

@        焼却棟Tに換気システムがあったかなかったかの典拠資料です。2000年にロンドンで開かれたアーヴィング・リップシュタット名誉毀損裁判での判事グレイの判決です。裁判の判決が焼却棟Tの換気システムがあったかなかったのかの典拠資料としてあげられていることが不可解です。

A        ひょっとしたら、○○氏は、この判決のもとになっているのが、リップシュタット側の専門家証人として出廷したペルトとその専門家報告であり、しかも、ペルトの説はプレサックの研究にもとづいていることに気づいていないのかもしれません――もし、そうでなかったとすれば、失礼をお許しください――。

B        ロイヒター報告との関連で言えば、ロイヒター報告が公表されたのは1988年、プレサックの『アウシュヴィッツ:ガス室の技術と作動』が登場したのは1989年、二番目の研究書『アウシュヴィッツの焼却棟:大量殺戮装置』が登場したのは1994年、アーヴィング・リップシュタット裁判は2000年のことです。

C        ですから、焼却棟Tには「当時の設計図が示すように換気システムも完備されていた」というようになるのは、1989年以降のことなのです。1988年に発表されたロイヒター報告は当時の研究水準にそっていたことになります。

D        それまでは、焼却棟Tでの「ガス処刑」に関するヘスの証言(「丸薬が投げ込まれると、『ガス!』という悲鳴があった。大きなどなり声がして、囚人は2つのドアに殺到した。しかし、ドアはびくともしなかった。数時間後に、換気をするためにドアが開けられた」)にもとづいて、焼却棟Tには換気システムはないと考えられていました(アウシュヴィッツ博物館のピペルは、今でもそのように考えています)。

E        というよりも、正史派の研究者たちは、「大量ガス処刑」にまつわる技術的諸問題について、考えようともしてこなかったのです。残念ながら、プレサックは昨年他界しましたが、正史派の研究者の中でこの技術的諸問題に真剣に取り組んできたのは、今日に至るまで、彼一人です。

F        一時、ペルトは、プレサックを継承して、技術的諸問題に取り組もうとしていましたが、結局は、「細かい相違点はともあれ、多くの人々があったというからあったんだ」という「証拠の収斂」理論に後退していきました。○○氏も紹介されている、アーヴィング・リップシュタット裁判の記録を読めば、そのことはよくわかります。プレサックのように、この技術的諸問題に真剣に取り組めば取り組むほど、「目撃証言」の信憑性が失われ、「目撃証言」にもとづく「アウシュヴィッツ絶滅収容所物語」が崩壊してしまうからです。

G        ○○氏は、焼却棟Tには換気システムが設置されていたという立場に賛同しているようですので、焼却棟Tでのガス処刑に関するヘスの記述は間違いであると考えていることになります。ちなみに、技術的諸問題と「目撃証言」との矛盾に苦しんだプレサックは、ヘスのことを「見ることなく現場にいた」と苦渋に満ちた表現を使って評しています。

 

 

結論

@        もちろん、ロイヒター報告は10年以上も前に執筆されていますので、そこには当時の研究水準の制約に由来する誤りも存在します(例えば、彼は、焼却棟UやVにも換気システムが存在しないと考えていました)。

A        ですから、歴史的修正主義者は、このロイヒター報告を、「殺人ガス室」や「大量ガス処刑」についての、その後の科学的・化学的・技術的・法医学的研究の道を切り開いた先駆的研究として、高く評価しています。

B        一方、○○氏は、このロイヒター報告を「似非科学」と断罪しています。しかし、そのような根拠は、少なくとも、冒頭に引用した○○氏のロイヒター報告批判からは、うかがうことはできません。

C        少なくとも、○○氏は、「似非科学」の対極にある「真正科学」と判断する正史派の研究者の調査報告、研究論文を紹介すべきだと思います。そうでなければ、判断基準がなく、「似非科学」という断罪は、たんなる中傷や悪罵にすぎなくなってしまいます。

D        ロイヒター報告にまつわるその後の諸事件の展開を見ると、この報告はロイヒターの人生・生活を左右してしまいました。○○氏の批判がたんなる中傷や悪罵にすぎないとすると、たんなる中傷や悪罵を投げつけるのは、あまりにも不誠実のような気がします。

E        以上の諸論点ついては、ルドルフ報告に対する○○氏の批判を検証する中で(質問10)、もう一度立ち戻ることにします。

 

 

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[1] 『ホロコーストの力学』、青木書店、2003年、234235

[2] さしあたり、きわめて不十分な試訳ですが、クラクフ法医学研究所報告(試訳と評注)を参照してください。もちろん、オリジナル・テキストの出典も明記されていますので、そこをまず参照してください。

[3] Jean-Claude Pressac, Auschwitz: Technique and Operation of the Gas Chambers, p. 147.