<質問07

ニュルンベルク裁判やその他の裁判で、ナチスの関係者も絶滅について証言しているのではないでしょうか?

 

<回答>

 たしかに、このような裁判でのSSの被告のほぼ全員がユダヤ人の絶滅の現実性を認めています。しかし、彼らの大半にとって、その自白は、その場かぎりの日和見主義的な弁護戦術にもとづいていたのです。被告の最大の関心は、できるかぎり寛大な判決を受けて、裁判から逃れることでした。このような裁判はすべて、ユダヤ人の絶滅を「周知の事実」とみなしていましたので、被告側が、このドグマの否定を弁護方針の争点にすることはまったく無意味であると考えられたのです。ベルゼン裁判では、アウシュヴィッツU(ビルケナウ)とベルゼンの所長であったヨーゼフ・クラマーは、このようなドグマを否定しようとしていました。彼は最初の供述では、ガス室に関するアウシュヴィッツの囚人たちの供述を「最初から最後まで虚偽である」[1]と述べています。しかし、クラマーは、公判中にこの弁護方針が無益であることを悟ると、殺人ガス室は存在したけれども、自分はまったく無関係であると述べて、姿勢を急遽変えたのです。[2]

 オーレンドルフのケースについてはすでに申し上げました。その他のケースでも、自白は取引か脅迫の結果です。たとえば、ライトリンガーも指摘しているように、「ザレフスキはニュルンベルクとワルシャワで証人として証言したことで、ロシア送りをまぬがれた」[3]のです。

 その他の自白は拷問によって引き出されました。1948年、ヴァン・ローデンとシンプソン判事のアメリカ調査委員会がダッハウ裁判の作業を調査しましたが、被告の自白があらゆる種類の肉体的・精神的拷問によって引き出されたこと、調査した139例のうち137例では、被告が睾丸に治癒不能な重症を負っていることを確証しています。[4]

 SS上級突撃長クルト・ゲルシュタインはベルゼクの「ガス室」の主要証人であり、彼の「報告」はこの収容所についての公式の真実とみなされています。そして、彼は自発的に証言を書いたということになっています。しかし、彼の証言は、私が別稿[5]ですでに明らかにしていますように、本質的な諸点すべてで信憑性に欠けています。ゲルシュタインは、700800名が5×4mのガス室――奇妙なことに、面積25u、容積45㎥となっている――に押し込まれた、すなわち1uあたり2830名が押し込まれたと述べています。そして、彼は、非論理的な算術計算を使って、この数字の正確さを証明し、自分の証言は文字通り真実であると結論しているのです。

 レオン・ポリャーコフは、ゲルシュタイン「報告」を出版するにあたって、この馬鹿げた数字をそのまま記載せず、資料[6]を「修正」して、25uの代わりに93uとしています。しかし、ガス室の容積は「修正」していませんので、彼のテキストでは、ガス室の高さは48cmとなってしまっています。[7]

 

歴史的修正主義についてのQ&A

歴史的修正主義研究会ホームへ

 



[1] Trial of Josef Kramer and Forty-Four Others (The Belsen Trial), Edited by Raymond Phillips, London, Edinburgh, Glasgow, William Hodge and Company, Limited, 1946, p. 731.

[2] Idem, p. 731.

[3] G. Reitlinger, La soluzione finale, Mondadori, Milano, 1965, p. 256.

[4] F. Utley, The High cost of Vengeance, Regnery, 1949.私が引用したのはドイツ語版Kostspielige Rache, Hamburg, 1951, p. 216である。

[5] Il “Rapporto” Gerstein: Anatomia di una falso. Sentinella d’Italia, Monfalcone 1985.

[6] この資料はPS-1553

[7] L. Poliakov, Le Dossier Kurt Gerstein, in Le monde juif: January-March 1964, No. 1(36), pp. 6-9.