<質問11

ホロコースト修正主義者は何を求めているのですか?

 

<回答>

 <質問10とその回答>にもありますように、修正主義者は同質的な集団ではありませんので、修正主義者を一まとめにして、彼らが何を達成したがっているのか明らかにすることはできません。だから、修正主義者についての決まり文句は、虚偽であり、間違っているに違いありません。ただし、修正主義者に共通していることが一つあります。ホロコーストについての自分たちの見解が正しいことを明らかにし、人々を説得しようとする決意です。これ以外の点で、修正主義者の政治的な共通分母を捜し求めようとすれば、修正主義者のあいだでは、際限のない紛争が続いてしまうでしょう。だから、修正主義者に共通の政治目標を設定してしまうことは、虚偽であり、間違っているのです。修正主義者の政治的見解はきわめて多様なのですから。

 これに対して、西側社会の政府やマスメディアは、修正主義者は右翼勢力による全体主義的な政府を打ち立てるために、民族社会主義体制の名誉の回復を目指している右翼過激派であるという決まり文句を広めています。このことは、右翼過激派の修正主義者にはあてはまるかもしれませんが、彼らは修正主義者の中ではごく少数派です。

 いくつかの顕著な事例をあげて、修正主義者の政治的多様性を紹介しておきましょう。

 

 Paul Rassinier:レジスタンス活動のためドイツの強制収容所に収容されていたフランス共産党員が、どうして、ドイツにおける民族社会主義の名誉回復を求めるでしょうか?

 Josef G. Burg:第二次大戦中にドイツとロシアの占領下で苦難を経験したユダヤ人が、どうして、ドイツにおける民族社会主義の名誉回復を求めるでしょうか?

 David Cole:ユダヤ教徒の自由主義的なアメリカ人青年が、どうして、ドイツにおける民族社会主義の名誉回復を求めるでしょうか?

 Fredrick Leuchter:処刑ガス室技術のアメリカ人専門家で、まったく政治的な意図を持たない人物が、どうして、ドイツにおける民族社会主義の名誉回復を求めるでしょうか?

 Pierre Guillaume, Serge Thion:左翼無政府主義者のフランス人が、どうして、ドイツにおける民族社会主義の名誉回復を求めるでしょうか?

 Roger Garaudy:長いあいだ有名なフランス共産党員であった人物が、どうして、ドイツにおける民族社会主義の名誉回復を求めるでしょうか?

 Bradley Smith, Richard Widmann:自由主義的なアメリカ人が、どうして、ドイツにおける民族社会主義の名誉回復を求めるでしょうか?

 Vincent Reynouard, Jean Plantin, Germar Rudolf1960年代中頃に生まれた、若い自由主義的、保守主義的ヨーロッパ人専門家が、どうして、ドイツにおける民族社会主義の名誉回復を求めるでしょうか?

 

 修正主義者の政治的その他の理想が、そんなに重要なのでしょうか。この点について、Germar Rudolf本サイトに試訳ありを引用しておきましょう。

 

「修正主義者は民族社会主義を取り繕おうとしているのではないか、右翼的な政治制度が受けいれられる素地を復活させようとしているのではないか、民族主義の躍進を助けようとしているのではないかと疑っている人々に対して、私は次のように言いたい。

19世紀のドイツの歴史家ランケが述べているように、歴史研究を進めるにあたって、われわれの目標はいつでも、どのようにして歴史的出来事が生起したのか見出すことである。歴史家は、たとえば、ジンギスカンやモンゴル軍の犯罪を告発するために、研究すべきではないし、その悪行を取り繕うために研究すべきではない。ある歴史研究を、それはジンギスカンの犯罪を免罪しようとしていると批判する人物がいれば、その人自身の政治的動機が疑われるであろう。もし、疑われないとすれば、ジンギスカンについての歴史観を定めることができるのは、ジンギスカンの犠牲者と彼の敵だけになってしまうであろう。

同じ理屈がヒトラーと第三帝国にもあてはまる。修正主義者もその論敵にも、自分たちに政治思想を持つ権利がある。修正主義者が関心を抱いているのは民族社会主義の免罪である、それは非難されるべきであり、犯罪ですらあるとの告発は、自分たちにはねかえってくる。この告発は、民族社会主義を歴史的に免罪する、ひいては道徳的の免罪するのはまったく受け入れがたいということを意味している。しかし、事実のもとづいた免罪を受け入れがたいと宣言することで、この人物は、審理の探求ではなく、民族社会主義を歴史的道徳的にどうしても断罪することだけに関心を持っていることを、おおやけに認めていることになる。そして、この動機はすぐれて政治的なものである。それゆえ、修正主義者は自分たちの研究を政治目的のために利用していると非難する人々は、彼ら自身がまさにこの罪で有罪なのである。もちろん、ごく少数ではあるが、政治的目的を抱いている修正主義者も存在する。しかし、問題であるのは、こうした修正主義者ではなく、すでに昔に死に絶えた政治体制を何らかのかたちで免罪しようとしているとして他の人々を告発している人物なのである。

したがって、われわれの研究は、われわれの研究成果が過去の政治家や体制の道徳的「選別」にどのような効果を持つかにではなく、ただ事実のみに関心を持たなくてはならない。」

 

ホロコースト修正主義についてのQ&A

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