歴史的修正主義研究会
最終修正日:2003年9月23日
<質問006>
今日、見学者に展示されているアウシュヴィッツ中央収容所焼却棟Tは戦後に「復元」、「再現」されたものであり、学問的には「偽造」であることは、ホロコースト修正派の研究者だけではなく、ホロコースト正史派もようやく認めるところとなっています。だとすると、焼却棟Tの死体安置室(「殺人ガス室」)については、ロイヒター報告は、オリジナルではなく別の資材から分析サンプルを抽出したことになり、そもそも無効ではないでしょうか?
<回答>
ホロコースト正史派のマイケル・シェルマー(Michael Shermer)とアレックス・グロブマン( Alex Grobman)は、彼らの著作『歴史の否定。ホロコーストが起らなかったと誰が言っているのか、そして、彼らはなぜそう言っているのか』(Who Says the Holocaust never Happened and
Why Do They Say it?)132頁で次のように書いています。
「コール、ロイヒター、フォーリソンが、アウシュヴィッツ(ポーランドの兵舎を改造したオリジナル収容所)の焼却棟Tのガス室のなかのチクロンBの残余物が絶滅のレベルには達していないという『発見』として提示している『証拠』はどうなのであろうか。注目すべきは、彼らは、この建物がオリジナルの資材と別の建物の資材を使って再建されたことに触れていないことである。だから、彼らが自分たちの研究で『実験調査した』ものが何であるか、まったくわからないのである。」
要するに、ロイヒター報告は、「殺人ガス室」の存在したオリジナルの建築資材ではなく、別の資材から分析サンプルを抽出したというのです。
論点
@ まず、シェルマーとグロブマンは、焼却棟T建物全体が、戦後に、全面的に、すなわち、新しいあるいは別の建物の資材を使って「再現」されたかのような印象を、読者に与えようとしていますが、これはまったくの誤りです。
A ソ連軍が占領したときに残っていたのは、防空シェルターに改築された焼却棟Tでした。焼却棟としての不要な部分(煙突や燃焼炉)が取り除かれたり、防空シェルターとして必要な部分(隔壁、入り口)などが付け加えられたりしていましたが、建物の基本的な部分(土台、おもな部屋を区切っている壁)は残っていました。
B そして、戦後、ポーランド当局は、この焼却棟Tを「殺人ガス室」を備えた「絶滅装置」に見せかけるために、煙突と燃焼炉を「再建」し、防空シェルターとなっていた死体安置室の隔壁を取り除き(このとき、洗浄室と死体安置室の隔壁も誤って取り除いてしまったので、現在展示されている死体安置室(「殺人ガス室」)はオリジナルの状態よりも広くなっていますが)、死体安置室の天井に「チクロンB投下穴」を開けたのです。
C ですから、焼却棟Tの「再現」・「復元」は、「殺人ガス室」を備えた「絶滅装置」としてはまったくの偽造なのですが、建物の基本的な部分(土台、おもな部屋を区切っている壁)は、別の建物の資材を使って「再建」されたわけではなく、オリジナルの資材のままです。
結論
@ ロイヒター報告が焼却棟Tの死体安置室から採取したサンプルは、オリジナルの建築資材から抽出されたものです。
A そして、そのサンプルのシアン化合物残余物は、害虫駆除室から採取されたサンプルのシアン化合物残余物よりもはるかに微量だったのです。
補足
アウシュヴィッツ中央収容所焼却棟Tでの「ガス処刑」について、詳しくは
を参照してください。